ミラノの旅日記が中断したままになっていました…。。毎年4月の1週間、イタリアのミラノで開催されるミラノサローネ(国際家具見本市)。その期間、ミラノ市内ではあちらこちらでさまざまな企業またデザイナーによる展示が行われています。

↑古く見せてるけど実は機能は最新式という、カントリー調のキッチン。

右に見えるタンスは食器棚。こちらもアンティークに見えるけれど、中は全面ガラス張りでライトも完備。

↓石のシンク。かっこいいー、おしゃれ!

↓さすがイタリア。大理石会社の看板。斬新!

ブレラ地区にある陶器の老舗メーカー、ジノリショップではミナ ペルホネンのデザイナーの皆川さんが絵付けを担当し、ショップでは新作のお披露目がされていると皆川さんに伺ったので見に行くことにしました。

ジノリショップのすぐ脇の小道がとてもいい雰囲気だったので、写真を撮っていると、なんか視線を感じるので振り向くと、70歳前後のおじさまがカメラを抱えてじっとこちらを見ている。お隣にはその娘さんと思われる女性も。「あ!この素敵な場所できっと娘さんと一緒に撮って欲しくて、私がこの場所を撮り終わるのをまってらっしゃるのね。」と思って、「ソーリー!えっとーぉ、テイクユワーピクチャー?」と娘さんとおじさまを交互に指差しながら言うと、「いやいや違うんだよ、あなたを撮らせて欲しくて待ってたんだ」という。へ?私?なんで?亡き妻に似てるとか好きだった人に似てる、とか??「とりあえずなんかよくわからないけど、はい。」とにっこり笑顔を作ったら1枚パチリとまぁまぁなアップでCanonのカメラで撮影された。「あー!アイムジャパニーズ。Canon!サンキュー!!」と言うと、日本のカメラはすごくいい。ジャポンが好きだ。京都、広島、東京、へ行ったことがある。寿司、天ぷらも好きだ。みたいなことを言ってくれている。ありがとう、そんな風にいってもらえて嬉しいです。といって別れた。

ジノリショップへ入って皆川さんの新作をみていると、さっきのおじさまにまた会った。よく見るとシャツに団体ツアーの缶バッチみたいなのが付いている。聞くと、娘さんと2人でパリから遊びに来てるという。今度は一緒に2人で撮ってくれませんか?というので、皆川さんの新作の前で一緒に撮った。日本という国は、四季折々の習慣や何もかもが本当に素敵だ…とまた熱く語りそうになっていたら、一緒にいた娘さんが、もう!お父さんっ!と言って強制終了してくれた。

盛り付けるお料理の邪魔にならないように。という皆川さんのお言葉通り、繊細で優しいタッチの絵柄。裏にはアキラ ミナガワという文字が。

夫と息子とは別行動をしていたので、このへんてこなやりとりを知らない。こんな事があってね、と後で説明すると、なにやってんの?と2人から冷たい視線を受ける…。

あの時一緒に撮った写真が、遠い異国の見ず知らずのおじさんの部屋に飾られていないことだけをただただ願っている。

 

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