稀代のイメージメーカー、ジャン=ポールグードとシャネルは20年以上に渡り独自の協働関係を築いてきた。ヴァネッサ パラディが鳥かごの中でカナリアに扮し小悪魔的な魅力をふりまいたフレグランス「ココ」や、ボーリングのボールに見立てたキャンペーンイメージなど広告史に残る傑作は記憶に新しい。 銀座のCHANELネクサスホールでジャン=ポールグード展が開催されていたので展示会の仕事を早々に切り上げ、仕事終わりのワンタークラッドの英子さんと待ち合わせをして行ってきた。 かわいい演出がたくさん散りばめられていて、ホールを出る頃には、私も英子さんもあたたかくて優しいものに全身包まれているようなそんな感覚で心が満たされていた。元気がない時、嫌な事があって落ち込んでいる時は、洗練された物やかわいい物を見ることが私には何より1番効く薬だ。とりわけ意図せず美しい建築物、洗練された物や空間、かわいい映画に偶然出会った時は、点滴100本分に匹敵するくらい元気チャージが満タンになる。そのあと、資生堂ギャラリーへ行ったり、幼少期の英子さん御用達のお店、老舗子供服屋さんのサエグサで2人で「かわいい、かわいい、かわいすぎる」と呪文のように唱えたり、ご飯を一緒に食べ、私が泊まっているホテルへ移動し、終電ギリギリまでお茶をしながらお仕事の話や恋ばなをする。かわいいもの、すてきなものをたくさん見て元気になった。このところ寒さのせいかどんより沈みがちだった気分が嘘のよう。やっぱ”かわいい”は最強だ。