私は好き嫌いがとても多い子供だった。小学生の時は、苦手な算数の時間より給食の時間の方が嫌いだった。当時は完食するまで食べさせられていたので、ほうきで掃除して教室にほこりが舞ってる中、先生に無理やり口に押し込まれて泣きながら食べていた記憶がある。人参とグリンピース、ベーコンが入ったバター風味のコンソメスープは特に苦手だった。しかも三角食べという訳のわからない食べ方があの頃は推奨されていて、白いご飯を食べた後に大嫌いな牛乳を飲んでまたおかずに戻るという…あぁ今考えても立ちくらみしそう。大人になって、あの頃は一体何だったんだろう?と思うぐらい、なんでも食べれるようになった。グリンピースとレバー以外は。

1年生から6年生まで一貫して、どの担任の先生も、こっそり残していいわよ。なんて優しい事は言ってくれなくて、なので当然好きな先生もできず、かなり内気な6年間だった。そのせいか学校の先生という職業に憧れたことがなく、卒業文集で”将来の夢”という欄に、学校の先生になりたい。と書いてる子をみると、正気か?と思ったものだった。そもそも学校が好きだった子が将来先生になるんだろうから、学校が嫌いな子の気持ちなんて先生には一生分からないはずだ。勉強もスポーツもできて、給食ももりもり食べてお代わりする、元気なひまわりのような子は、先生のいないところで意地悪を言われてもじっと耐え、日陰で目立たず弱々しく咲いている小さな名もない花の気持ちなんてわかるはずもないだろう。子供ながらそんな風にも思っていた。

20年来の友達に、素敵な本を教えてもらった。現役の小学校の先生が書かれた本「子どもたちの光るこえ」著者は香葉村真由美先生。全ての学校の先生にぜひ読んでもらいたい。私もこんな先生に受け持ってもらいたかった。そうしたら、もっとキラキラした思い出と共に小学生時代を振り返ることができただろう。 学校の先生になるには、勉強ができるかどうかより、もっともっと本当に1番大切な最重要事項がある。それをぜひ、学校の先生になるための試験で問うべきだ。この本を読んで感銘を受けた多くの方々からの、ぜひお話をしに来て欲しいという依頼にこたえ、全国で講演をされているという。それを聞くと、香葉村先生のような素敵な先生が1人、また1人と増えていってるんだ!ととても嬉しくなる。電車の中などでは決して読まないで下さい。じゃないと大変な事になると思います。私は半分読むまでに5、6回嗚咽したような気がします。くれぐれもご注意を。