神戸の老舗喫茶店、にしむら珈琲北野坂店。

レンガ造りの趣きのある建物のこちらのお店は、元々は会員制のサロンで長く社交場として愛されていましたが神戸の震災をきっかけに会員制を廃止し、一般の方も利用できるようになりました。ずいぶん前の事になりますが、イベントの打ち合わせの為、お邪魔してきました。

打ち合わせには一応、私なりのきちんと感があるバッグ、エバゴスのベルトバッグで。

イベントの自粛が相次ぐほんの数週間前、(かれこれ1年半前)にしむら珈琲御影店で甲南大学主催の甲南大学ビジネスイノベーション研究所所長の西村順二教授による、「どう働きたい?どう生きたい?自分の生き方、自分で作ろう!」というトークイベントに登壇し、お話をさせていただきました。私の他に、元町映画館の支配人さんやコボトベーカリーのオーナーさん、フードロスの活動をされている竹下さんなど、それぞれの分野でこだわりと志しを持ってお仕事をされている方々が登壇され、そこでお話をさせて頂く貴重な機会をいただきました。それぞれのお話をお聞きし感じた事は、皆さんそれぞれ違った職種ではありますが、見えてきたのは、”少しでも今より良くしたい”という願いだったり、”身体に、そして自然界にとっても良い物を”という想いだったり、”大量生産大量破棄に異議を唱えたい” また”フェアトレードが当たり前な世の中にしたい”など、共通した想いは「社会貢献」だった。どんな仕事であれ、自分が日々している業務が世のため、人のために繋がっていると感じられたらやっぱり頑張れる。お医者さんや介護士さん先生など今、目の前にいるこの人の為に尽くす、という職種ではない場合、直結しにくくモチベーションが下がる事もあるかもしれません。でも自分が今している仕事は、知らない誰かを笑顔にするために、あるいは地球のために役にたっているんだ、と日々感じ業務にあたる事は仕事の効率はもちろん、気分も上がるように思います。

お仕事をされていない方でしたら、困っている人を気にかけてあげるという事だけでも立派な貢献につながると思います。不思議なことに、人のために良い行いをしたら、された人と同じくらい自分も気持ちが良くなる。最初はちょっと勇気がいるけれど自分もその日1日気持ちよく過ごせるのなら、自分がされて嬉しいと思う事をしたいですね。1人1人が今よりもう少しだけ優しい気持ちで日々人に接する事ができたら、今よりもっと素敵で優しい世界になると思います。嫌なことをされたからやり返す、の精神ではいつまで経っても素敵な世の中にはならない。

私は、日本の素晴らしい職人さんのお話、そして働く事についてのお話しをさせて頂きました。途絶えさせてはいけない日本の素晴らしい物づくりについて。未来を担う子供達に伝え、そういう職業もあるんだと、まず認識してもらいたいということ。そしてその職業に憧れて欲しい。本物を見る目を養い、物を大切にし、伝統を守り続けて欲しいと願う。

アルバイトをしていた頃、このお店はどうやったらもっと良くなるんだろう?と考えて、タイムカードは押さず、自分の意思で休日出勤して模様替えをしたり、休みの日にお店に飾る小物や備品を探しに行ったりしていた。ブラック企業という言葉があるが、時間を忘れて打ち込める好きな事を仕事にすれば、それは過重労働をさせられた、とは思わないものだと思う。そう思ってしまう時点でその職種は自分に合ってないのでは?と思う。こんなシンプルでわかりやすい事はない。(中にはその職種は好きだけどブラック、という所もあるかもだけど、そこは早々に気付き職場を変えるべき)。合っていないことを続けていてもパフォーマンスは上がらない。そして、そういう人が職場にいたら周りに迷惑をかける。会社にも取引先にもお客さまにも。そしてなにより自分が1番辛いはずだ。ならば自分が最高のパフォーマンスを出せる場所、興味があり心から好きな職業に付くべきだ。そうすれば会社にも取引先にもそしてお客さまにも喜んでもらえ、何より自分が日々楽しく過ごせる。

子供達には、将来本当に好きなことを仕事にして欲しいと願う。そうすれば効率も成果も上がるし、何よりみんながハッピーだ。少し前のNHKの朝ドラのヒロイン、おちよちゃんは貧しい家に産まれその仕事が好きか嫌いかなど考える余裕もなくただ食べていくため、生きていくためだけに小学校にも行けず働いてきたが、成長し次第に自分が好きな事、やりたい事を見つけ、その為に独学で字を学び奮闘していくという物語だった。

イベント終了後、私立小学校入学の為のお受験の塾をされているという女性に、お話を聞いていて涙が溢れました。ぜひうちの塾で塾生の保護者の方々に向けてお話をしにきて欲しい、と依頼を受けました。そんな恐れ多い…と、丁寧にお断りしましたが。というのも、私は中学受験をした身なのですが、塾は嫌々、無理矢理行かされていて本当に憂鬱でしかなかった。自分が行きたいと思っていない学校へ行く為の受験勉強ほど、身に入らない物はないだろう。

いつか自分のお店を持ちたいと、色んな我慢や試練を乗り越えお店を持った時、どこにそんな力を隠し持っていたの?と母に言われたが、人間、興味がある事へのパワーというものは、凄まじい物があると思う。傍目から見たらそんな辛い思いまでして何故?と不思議がられるような事も、当の本人は夢に向かって突き進んでいるという状況は喜びでしかない。今思えば、そんな辛い思いをせずにもう少し楽なやり方があったのにと思うが、若い時の辛い経験はその先の長い人生において必要不可欠だ。根っこがしっかりと深く地中に根が張っていれば、一見弱々しく見える小さな花だったとしても少々の雨風に吹かれてもびくともしない。

今回のテーマ「どう働きたい?どう生きたい?自分の生き方、自分で作ろう!」好きな事、得意な事、人よりも簡単に出来る事、自分に合ってるなと思う事。自分の心の声を素直に聞いて、自分らしい生き方をしたいですね。仕事も遊びも思いっきり楽しむには、人生はとても短いですから。

緊急事態宣言もようやく解除になりましたね。解除されたらしたいな、と思っていたことをとりあえずすぐにでもしようと思う。

コート・ブラウス(ミナ ペルホネン)スカート(ミュベール )ソックス(アンティパスト)シューズ(エバゴス)イヤリング(プティローブノアー)

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