部屋の片付けをしていると、こんなのが次から次へと出てきて、ついパラパラとページをめくってしまって全然進まない。

1999年のオリーブ。キャズエドゥミはこの年の4月にオープンしました。

1番新しいオリーブと1番古いオリーブ。お姉ちゃんがオリーブの創刊号を買ってきて、初めて見たその日から私はオリーブ少女になりました。友達はマーガレットやりぼんを読んでいる中、1人私はオリーブを読んでいました。高校生になって、みんなセブンティーンやan.anに移っていっちゃったけど、私はかたくなにオリーブ派でした。オリーブのお気に入りのページを破っては、部屋の壁にピンナップしていた。ピンナップされるページは、たいていスタイリストの大森伃佑子さんと岡尾美代子さんのページだった。アイドルに夢中になった事がない私は、このおふたりは私の中で、夢のような世界観を素敵に表現する憧れのアーティストだった。

そんな憧れのお2人が今から10数年前、以前住んでいた私の家に泊まりに来ることになった。ベルギー製の真っ白なリネンのシーツとピロケース、クラウンの目覚まし時計。ドイツ製のゴールドの金具がついた洗面台。赤い糸でアルファベットが刺繍されたリネンのキッチンクロス。パイン材のテーブルにフランス製のカゴ。アメリカ製の全部ばらばらの中古の椅子。イギリス製のアンティークの食器棚。アメリカのダイナーで使ってそうな食器。ラベルがかわいい外国のジャムやはちみつの瓶…。目の前に座っている岡尾さんの肩越しに見える自分の部屋の中の風景が全て、この岡尾さんに影響されたものばかりで、急に恥ずかしくなってきて、ずっと憧れていました。とか、大好きです。とか、一言も言えなくなってしまった。家中全部、”岡尾フィルター”でろ過された物ばかり。それって、好きなアイドルのポスターを壁中に貼ってる自分の部屋に、そのアイドルが突然現れる!みたいなそんな感じと同じだろうか。岡尾さんは、さぞ居心地が悪かったのではないだろうか。それとも私が街で偶然、全身お店の物でコーディネートしてくださってるお客さまを見かけた時のような、足が地面から3センチくらい浮いたみたいな、あんなふわっとした、嬉しい気持ちになって下さったのだろうか。。