…イタリアの記事に戻ります。
2日後に帰国するという日の朝、突然思い立ってレンタカー屋さんで車を借りて遠出することにしました。プジョー、ルノー、シトロエン、ワーゲンなどは乗ったことがあるので、一度も乗ったことがない車に乗ってみたくて、FIAT500を借りることにしました。事前にネットで予約するシステムで、借りているお家から1番近いレンタカー屋さん、4キロ先のお店までジョギングがてら夫が走って借りてきてくれました。お店に着くとシャッターは閉まったまま。まちがったかな?と思っていたら後方から、今から開けるよ〜の声が。予約がはいったら、その時間だけスタッフの人が来る、というシステムだそう。イタリアらしいなぁ。
初めて行く場所で慣れない左右反対車線、道路標識ももちろんイタリア仕様でプラス、ミッション車。(イタリアではレンタカーでオートマはあまりない)もうここは頑張るしかない。
無事、コモ湖に到着。ジョージクルーニーやブラッドピットなどの別荘もあるという、ヨーロッパ随一の避暑地。のんびりとしたとても美しい街。
高台でコモ湖を眺めながら、来る途中に買ったサンドイッチやフルーツでピクニック気分でランチ。
高台から見下ろすコモ湖。眩しすぎるくらいの太陽、心地よい風と鳴り響く教会の鐘の音。このまま時間が止まってしまったらいいのにと思ってしまったほど。
至る所でお花が綺麗に咲いていました。
パリでもミラノでも、カフェやレストランのテラス席はいつも満席で大人気。
路地に入ると、こんな素敵なお店も。
楽しそうに常連のお客さんとお喋りしてる声が聞こえてきたので、床屋さんを覗いて見ると、こちらのおじさんが、おいでおいでと手招きをする。言われるままに中に入っていくと、左手の額に入った写真を指差して、「これが僕のお爺ちゃん、これが僕のパパ、そしてこの子供が僕。ここで撮影したんだよ」と教えてくれた。親子三代続く人気老舗店のようだ。親指を立てて、すごいね!いいね!とウィンクするとニコニコしながらお店のショップカードをくれた。奥でお髭が泡だらけになったお客さんが、このおじさんが戻ってきてくれるのをじっと待っておられたので、それが気になって仕方なかった。
かわいいワンちゃんを発見!飼い主さんは、このお店の常連さんのようで、お店の人とお喋りに夢中。目力を最強にして、お願い、こっち向いてビームを出し続けると、気づいてくれてしっぽをブンブンしながらこっちにきてくれたので、いっぱいなでなでさせてもらった。
猫ブームな中、私は犬派。(猫のセーター着てるけど…)賢そうなワンちゃんじゃなくて、ちょっとマヌケな弱い感じのワンちゃんがたまらなく好き。
急いで帰る理由もないし、着替えも何も持ってきてないけどまぁ何とかなるし、ここで1泊してもよかったね、と帰り道、夜の高速を走りながら話していました。この場所は撮影スポットです、順番に撮るので並んでください、ここは感動するポイントですよ、見逃さないでくださいね、はい、ここでは有名な人気のアイスクリームを食べてくださいね、とぱんぱんに予定が組まれていて、駆け足で観光地を1つでも多く、とひたすら巡るツアーより、スケジュールを特に決めず行き当たりばったり、のんびり気ままにぷらぷらする旅の方が私は好きだ。気ままな旅の方がずっと何年経っても鮮明に心に残るように思う。
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