お家もクリスマス仕様に模様替え。子供が小さい頃は毎年もみの木を買って来て飾り付けをしたり、中庭の木に電球をつけてキラキラさせたりしてたけど、もうそんなのを喜んでくれる歳でもなくなったのでひっそりと。マリア幼稚園に通っていた私は、クリスマスの劇でこの棒を持っている羊飼いの役を任命された。色が白くて髪の毛がさらさらのロングヘアーの学年で1番かわいくて物静かな女の子がマリアさまの役を、背が高くて眉のキリッとした学年で1番かっこいい男の子がイエスさまの役を任命されていた。マリアさまどころか、マリアさまの母アンナでもマリアさまの姉マルタでもなく、私は女の人じゃなくて髭のおじさん…、、と、幼心に思った記憶がある。しかし切り替えの早い私は、そうと決まったらセリフのある重要な役に任命されたんだから、きちんと役を全うしなきゃいけないという使命感に駆られ、髭のおじさん、もとい羊飼い担当を全力でやり切ったという記憶も頭の片隅にある。高校生の時、電車に乗っているとマリア幼稚園のシスターに「陽子ちゃん?」と声をかけられ驚いた事があった。幼稚園を卒園してから一度も会っていないのにどうして分かったの?と不思議だったが、今思えばあの的確な配役といい、やっぱりシスターは凄い。私は決してマリアさま役ではないし、髭の羊飼いのおじさんがぴったりだと思う。三角に折ったスカーフを頭に巻くのが好きなのは、シスターへの憧れからくるものなのかもしれない。階段にも、羊飼いが飼っている羊を一匹。階段の壁の反対側。羊ちゃんは、↓の真ん中にいますよ。 夜ご飯の準備をしていたら、息子が友達と電話で話してるのが聞こえてきた。「こうやってリア充があげてるカップルチャンネル見てるお寂しな僕らで視聴回数が増えて、この人は彼女がおる上にお金も入ってくるんやろ?なにそれ、めっちゃええやん。それに比べてなんなんほんま…。で、クリスマス…僕らどーすんの…?」…あかん、目頭がジーンとする。玉ねぎのみじん切りが目に沁みてなのだが、私の頬に涙が伝っているのはそれだけではない気がするのは気のせいか…?髭のおじさんをやり切ったあの時の私のように、もやっとする感情、そこは視点を変えスパッと気持ちも頭も切り替えよう。息子、そして電話の友よ。あなた達の幸運を心から祈る。すてきなクリスマスを。

 

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